泊手（トマリテ）は、沖縄の琉球王国で手 (ティー･沖縄武術)から発展したという首里手、那覇手と並ぶ唐手（現･空手道）の三大系統の一つですが、その技術の継承者は決して多くはありません。
貴重な泊手の技術と身体操作法を後世に残すため、拳龍同志会･新城孝弘先生の演武とご指導によって、泊手の代表的な形《ワンシュー･ナイハンチ･セイサン･アーナンクー･親泊パッサイ（トマリパッサイ）》の教範を第一巻として制作しました。
内容は各形の演武（正面･横･後ろ）と分解で構成。分解には取手技法（超接近技法）の解釈もあり、形の本質が理解できます。またガマクを抜く身体操作で、スピードとインパクトのある打撃を生み出す方法についても語ってくださいました。

【収録内容】

■ワンシュー Wanshu
ワンシュー（正面･横･後ろ）
分解1：密着しながら相手を巻き込む
分解2：居つくことを回避「交差立ち」
分解3：捌いて即、蹴り。近ければ潜って担ぎ投げる
分解4：手刀の運用で完全制圧
分解4：ガマクの切り返しで威力をつくる

■ナイハンチ Naihanchi
ナイハンチ（正面･横･後ろ）
分解1：最重要な意味を持つ「交差立ち」
分解2：使える「背刀受け」の有効利用
分解3：不自然な挙動の中に隠された本物
分解4：瞬速の歩法「波返し」で密着
分解5：突然の攻撃に対する反応力強化
分解6：同時に2カ所を突くに非ず

■セイサン Seisan
セイサン（正面･横･後ろ）
分解1：「中段受け」を投げ技へと変化応用
分解2：引き込んだ反動で打つ、投げる
分解3：裏打ちで怯ませて「中段受け」の変化応用
分解4：居つかせ、崩したところに蹴り
分解5：蹴りを掬い受け、膝関節を捉えて崩す

■アーナンクー Ananku
アーナンクー（正面･横･後ろ）
分解1：より実戦的に解釈、受けと突き
分解2：相手の外を取ることが鉄則

■親泊パッサイ ［トマリパッサイ］ Oyadomari Passai (Tomari Passai)
親泊パッサイ ［トマリパッサイ］（正面･横･後ろ）
分解1：相手の肘に手を添えて抑える
分解2：伸び切った突き技を掌底で落下させ反撃
分解3：捌いたら必ず横からの攻撃が常道
分解4：肘を内側から掴んで逆方向に捻る
分解5：蹴りを掬って投げに転じる
分解6：腕を極めて打突を与え戦意を削ぐ
分解7：捌き、重心を崩して二段攻撃
分解8：相手の軸を崩して猫足からの蹴り

■新城孝弘が考えるガマク
・ガマクの抜き
・脱力からの移動
・インパクトのある打撃
・選手への指導

■新城先生からのメッセージ